1440 分の 10
K・M 龍谷大学国際学部 (2013年 高松商業高校卒)
世の中には志望する大学に行ける人もいれば、行けない人もいます。私は受験を成功させることが出来ず後者となりました。したがってこの体験記は「不合格体験記」です。
しかし、いま私は不合格でよかったと思っています。それは「志望大学への憧れがない」とか「いまの大学で満足している」とかいうものではありません。そう思えるようになったのは1日のうちの10分間の習慣にあります。
「どんな日でも『英標』を20分音読している」「欠かさずに毎日続けると大きな自信になる」「継続のコツは例外をつくらないことだ」
勝浦先生のこの音読の話は、ただなんとなくダラダラと毎日を過ごしていた私の心に響きました。
さっそく家に帰って音読を始めてみました。先生と同じように『英標』の音読を20分間チャレンジしました。先生はそれを淡々とこなしている様子だったので、私にも簡単に出来そうに思えました。でも実際やってみると、『英標』の単語や文章は想像以上にむずかしく、ノドも渇き、翌日には面倒くさくなってやめてしまいました。音読への熱意はどこかへ行ってしまいました。
大学の合格発表の日。「必ず受かっている」、そう信じていたのに、そんな思いとは裏腹に、自分の番号は何回見てもありません。涙が次々とあふれてきました。自分の力不足を思い知りました。大学に落ちてからは、昼まで寝て、テレビを見て、何をするにも無気力で、ダラダラと毎日を過ごしていました。
そんなとき、机の上の『チュンプルズ』を見て勝浦先生の音読の話を思い出しました。こんな生活ではなく、なにか1つ毎日目標をもって過ごそう。大学がダメでも4年間を誰よりもたいせつにしよう。そう思い、もういちど音読を始めました。
といっても『英標』を20分、毎日続けることは自分にはむずかしいと分かっていたので、周りにある英文を片っ端から日替わりで音読の教材にしました。「センターの英文」「構文150の英文」「模試の英文」「私大の英文」「英字新聞の英文」などを試してみました。
そして、今の自分にピッタリなのは、「学校の教科書」だとわかりました。教科書なら単語の意味はもちろん、発音も文の構造も授業で理解しているからです。そして時間も、まずは10分からと思い、毎日10分教科書を音読することを始めました。この10分間の音読は、それまで携帯をいじっていた寝る前の10分を有意義な時間に変えてくれました。
音読を始めてから1ヶ月になろうとしています。まだ1ヶ月ですが、これまで1日も休まず続けています。これから大学での4年間、毎日、音読を続けることができる、と私は確信しています。なぜなら、1日=1440分 (60×24) の生活で、10分間の音読することが、私のなかではすでに習慣になっているからです。
私はこの音読の継続で、私の志望していた大学に合格した人たちよりも必ず英語力が上になると思っています。悔しさを味わい、その悔しさを次につなげることができれば、どこの大学に行っても必ず力になると思います。「大切なのは結果ではなく、結果に到るプロセスです」。そんなことを教えてくださったのは勝浦先生でした。
私は勝浦先生の授業が大好きです。授業のある日はルンルンで電車に乗っていました。その理由は勝浦先生の英語の魔法にあります。どんなに複雑で長い英文でもスラスラと読めるようになり、それまでの英語の勉強法を180度良い方向に変えてくれました。勝浦先生の授業のおかげで、以前は嫌いだった英文を読む作業が本当に好きになりました。受験勉強は英語ばかりしていて、学校の先生に「英語ばかりしてるけど他の教科は大丈夫なの?」と言われるほどでした。
英語に加え、授業のあいだに配られるプリントと勝浦先生のお話には本当に魅了されていました。プリントは丁寧にファイリングして滋賀に持ってきました。ベッドの横において懐かしくかつうら塾のことを思い出しています。
後輩のあなたへ。かつうら塾での2時間、だれよりも真剣に先生の話を聴いて下さい。聴くだけではなく、考えてください。そして行動に移してください。かつうら塾にはあなたを変えるきっかけがたくさんありますから。
2013年04月10日