英語の道は文法から

 

K・N 神戸大学工学部 (2021年・高松高校卒)

「文法なんて二の次だ。単語さえ覚えていればどうにかなる」。入塾したばかりのころは、そう思っていた。かつうら先生が、文法が大事だといくら力説しても、あまり気にしなかった。

中学では、単語を覚えていれば、行き詰まる問題はなかったし、高校の授業も、文法は重視していなかった。高1で読む英文は簡単なので、単語の意味さえわかれば読めていた。自己流の読み方で、何の問題も感じなかった。

英語の予習は、知らない単語を調べ、訳文を読み、文章の内容を知って、終了。入塾したての頃は、そんな読み方をしていた。

しかし、かつうら塾で、英文が難しくなるにつれ、なんど読んでも、単語が並んでいるだけで、日本語に訳そうとしても文章にならなかった。何を言っているのか分からず、焦りだした。

授業中、予習してきた英文に関する質問があっても、周りの人が答えられるのに、自分には質問の意味すらわからなかった。

「このingは何か?」「動名詞なのか、現在分詞なのか?」「これは何節か?」「どこを修飾しているのか?」

そこで、英文を読むときには、単語の意味よりも、構造分析を優先するようにした。簡単そうに見える英文にも、必ず[  ]と(  )をつけるようにした。すると、いままでつながらなかった単語が、つながって見えるようになってきた。

構造分析は、聞かれたときに答えられないのが嫌でしぶしぶ始めたのだが、だんだんとこの作業そのものが楽しくなっていった。

at、in、onなどの前置詞が出てきたら、必ず(  )をつける。thatやwhichやifが出てきたら、必ず[  ]をつける。andやorやbutが出てきたら、その接続詞がつないでいるもの同士を必ず確認した。

構造分析は、簡単な英文で行えば難しくはないが、簡単な英文から始めることで、難解な英文に出会ってもできるようになる。やさしい英文でも、最初から(  )や[  ]をつける習慣を身につけておけばよかったと今は思う。

構造分析はパズルみたいなもので解けたときは気持ちがいい。この解けたときの快感が、自信につながり、勉強全般へのモチベーションが上がった。

学校では文法を軽視した授業が行われている。このような授業を受けて英語が読めるようになると思っている人はかわいそうだと思う。

周りにいた人で、単語はどんどん覚えていっているのに意味のつながらないとんちんかんな訳文を書く人がいた。その人は「英語は単語の暗記。文章は単語と感覚で読むんだ」と言っていた。

英語を学んでいるのに、間違った学び方で終わるのは、もったいない。英語を学んでいるつもりになっているだけで、エネルギーの浪費だと思う。正しい英語の勉強方法を知ってほしいと思う。

2021年5月5日