私の選択
Y・Y 徳島大学医学部保健学科 (2010年 高松一高卒)
3月9日。私の携帯に友人から次々と合否のメールが届く。改めて大学受験の厳しさを知る。何もやる気が起こらず、ずっと家でボーっとしていた。
3月10日。合格発表当日。いつも通り目が覚めたが、心臓の鼓動は早い。着替えもせず、朝食もとらず、すぐにパソコンの前に座り、時計と睨めっこ。時計の針が進むたびに、緊張が増してゆく。そして、時計の針が9時をさした瞬間、大学のホームページにリンクされてある合格発表サイトをクリックする。無表情に数字だけが並んでいるページを見て、息が止まるかと思った。一回深呼吸して、もう一度見る。
……、216052。あった! 誰もいない部屋で、思わず「やった!」と叫んでしまった。
センター試験は、今までとったことのない点数だった。担任の先生からは、二次試験で挽回しなければ大学合格は難しいだろうと言われた。徳島大学に決めたのは、センター試験の後で、二次対策は何もしていない。英語での一本勝負だった。母親からの勧めもあって、1月の末に勝浦塾を訪ねた。
とは言っても、今さら行ってもついていけないだろうと諦めていたし、「一ヶ月あれば、十分伸びますよ」という勝浦先生の言葉にも、正直、うそっぽさを感じていた。
先生は1年生、2年生の授業の参加を勧めてくれた。はじめは、後輩と並んで授業を受けるのはいやで、渋々参加した。しかし、そんな気持ちは授業を受けるうちに消え去った。
主語と動詞の何でもない関係でも、[ ]や( )でくくったあと、isに対する主語が4行前のthe bookであることが見えたとき、とても驚いた。今までこのようなことを意識せずに英文を読んでいたかと思うと、ゾッとした。また、自分が答えられない問題を後輩たちがスラスラ答えているのを見て、「え~? なんでわかるん?」と焦った。
2週間ほど経ったころ、その焦りは悔しさに変わっていった。悔しくて誰にも負けないくらい予習をした。予習したことが答えられたときは、心の中でガッツポーズ! その快感が嬉しくてさらに予習に力が入った。そんなころ、以前は苦痛としか思えなかった英文読解がいつの間にか楽しくなっていた。
教わったことはこれだけではない。勝浦塾では、授業の始めに、最近あった楽しかったことを英語でスピーチする。
私はオーストラリアにホームステイしたり、アメリカ人を受け入れたりしたことがあるが、いざ話そうとすると、単語や文法が出てこない。いくら紙と鉛筆を使って勉強しても、実践力は別だ。
だから、このように普段から英語でスピーチする機会は大切だ。初めてこのスピーチをするとき、緊張しすぎて簡単な単語なのに、何をしゃべっているのかわからなくなってしまった。しかし、一ヶ月も経つと、英語で話すことが楽しくなり、もっと話したいと思うようになった。英語は、ただ問題を解いて終わりではない。
私は勝浦塾に来る前、「将来の職業に英語は必要ないから、適当でいいや」と思っていた。当然、これは間違いである。たった一ヶ月の間だったけれど、英語力はもちろん、精神的にも大きくなることができた。