数学1点
H・A 同志社大学法学部(2010年 高松高校卒)
1点。これは、高校に入学して最初の校内模試(通称:実力テスト)でとった数学の点数である。ほとんど白紙状態で出したので当然なのだが、「1点」の結果に絶望感に包まれた。そのときの平均点は、私の1点ほどひどくはないものの、それでも10点くらいだったように思う。
あこがれの高松高校に入って最初のテストがこの点数である。完全に自信を失った。その後、高松高校の実力テストは先生の趣味のようなものであること、受験生でも苦戦する問題を1年生に出していることを知り、解けなくても当然だと割り切れるようになった。
英語の方は、数学ほどではないものの、それでもやはりひどい点数だった。受験生に出すのならまだしも、1年生のうちから、なぜこんな難問を出すのか。こんな試験など受けても、モチベーションの向上にはつながらないし、大半の生徒には、テストは無意味なものと映るだろう。とはいえ、テスト以外の面では、高松高校が大好きなので、学校に対する批判はこのくらいで止めておこう。
かつうら塾では、まず、一見複雑に見える文に、( )や[ ]をつけて視覚的にわかりやすくし、S・V・O・Cをつけて文の全体の構造を見抜く練習をする。構造が分かったところで、次に、itが示すもの、thatやwhichの用法など細かい部分に着目する。そうやって順を追って考えていくと、最初に見たときは意味不明だった文章が面白いほどすっきりと、読みやすい文章になっている。
先述した高松高校の実力テストでは、かなり複雑な英作文、英文和訳が出題される。また、難関といわれる国公立大学でも、英作文や和訳でどれだけ点数を獲得できるかがカギであるので、ここの力を鍛えておく必要がある。半信半疑でも、1年生のうちから勝浦先生の言うとおりにきちんと練習を積み重ねていけば、着実に文章を読み解く力が付く。2年後の大学入試には十分に対応できる英語力が身に着いているはずだ。
私は現役、浪人時代と、二度大阪大学を受験するも不合格。いまは縁あって同志社大学に通っている。同志社大学には、推薦入試で入った人、一般入試で入った人、内部入学で入った人、と入学までの経緯はさまざまである。だから各人の英語力はバラバラであり、be going toの意味さえわからない人もいれば、アメリカ暮らしが15年だとか、TOEICのス コアが900点台の人もいる。しかし、いわゆる英語ができるといわれる人でも、意外と文法に弱かったりする。
「このitの用法は?」「この関係代名詞の用法は?」「この文章はどういう構造になっているの?」「この文章にS・V・O・Cをつけてわかりやすくまとめてくれる?」などといった教授の問いに答えられない学生も多い。私自身についていえば、高校時代に勝浦先生のもとで文法を徹底的にやってきたおかげで、教授からのこういった質問にもすんなり答えることができ、かなり高評価をいただいている。大学の英語の授業の現状をみると、高校時代にかつうら塾で英語の基礎をやってきて本当によかったと実感している。
かつうら塾の魅力は、質の高い英語の授業だけではない。むしろそれだけでは魅力の半分も伝えていないだろう。超個性的な勝浦先生によって繰り広げられるトピックは、政治、経済、文化、人生観、マインドコントロールなど多岐にわたる。そして塾全体を包むアットホームな雰囲気も大きな魅力のひとつだ。これらの面についても言いたいことは山ほどあるが、長くなりそうなので、この件に関しては他の人たちの体験記に託すことにする。
中学時代までネガティブ思考のモンスターだった私が、高校卒業時には自他ともに認めるポジティブ人間へと変身していた。それはまぎれもなく勝浦先生のおかげである。勝浦先生は、それほど影響力をもった先生だった。
大学に入学してはや2年。もうすぐ3年目に突入しようとしている。もう一度しっかりと英語を勉強しなおそうと思い、勝浦先生に連絡したことからこの体験記を書くに至った。私が受験期によく読んだ体験記の欄に自分の文章が掲載されると思うとなんだか面映ゆい。これからは先生から新しくいただいたチュンプルズで英語の知識をさらに深めるとともに、外国で経験を積むことでスピーキング力の向上にも努めたい。
2013年1月21日