カッツ浦塾

 

     カッツ浦塾

M・T  上智大学外国語学部ポルトガル語学科 (2007年・誠陵高校卒)

体験記を書くに当たり、真っ先に頭に浮かんだタイトルがこの「カッツ」です。日曜日の朝に「サンデーモーニング」という番組があります。大沢親分と張本さんが、凡プレーをした選手には「カッツ」、素晴らしいプレーをした選手には「アッパレ」を入れます。

前置きにこのことを述べたのは、私がかつうら塾を語るとき、どうしても外せない出来事があったからです。

初めてかつうら塾の門をくぐったのは2浪目が決まった3月中旬です。友人の紹介で塾の存在を知り、入塾しました。そして私はチュンプルズという絶対的な参考書を手に入れます。しかし、このときはまだ、かつうら塾がどのような塾なのかを全く理解していませんでした。

入塾して初めての授業のことです。浪人生クラスは4月からなので、高1生の授業を受けることになりました。

授業の前に、いつものようにクッシュボールの儀式があります。そこで取った私の態度が先生の逆鱗に触れることになったのです。そのときの私はこんなことを思っていました。

<どうせ高1だろ。俺は英語の勉強に来てるんだ。こんなもんにつき合っていられない。テキトーに何か言っとけばいいだろう。ああ、バカバカしい>

本当にこんなことを思っていました。

「この一週間で起きた良かったことを発表して下さい」と言われ、私は誰とも目を合わさず、うつむいたまま、「早起きできました」と、ぶっきらぼうに答えました。そしてさっさと次の人にボールを渡しました。他人の話になど全く興味のない私は、他の高1生たちには背を向け、本棚の本を眺めていました。

このような態度が許されるわけがありません。授業のあと、先生に呼び止められました。「なんだ、あの態度は」。このときはまだ、自分がなぜ怒られるのか、寝耳に水でした。

「君ほど態度の悪い生徒は、開塾して以来、はじめてだ」「君は人と向き合ってない」「人と向き合えないで、英文と向き合えるわけがない」「人と向き合えないで、大学進学など見当違いだ」「今すぐ塾をやめてもらいたい」。延々とこき下ろされ、最後に、「入塾させて欲しいのなら、日を改めて来てくれ」と言われました。

これだけ言われても、不思議と先生に対する怒りは起きなかったし、塾をやめようという気も起きませんでした。むしろここまで自分を叱ってくれる大人に出会えて、「すごい人がいるもんだなあ」と感心さえしました。

私はその日以来、自分を見つめ直し、人の目を見て話すことを意識するようになりました。すると「世界」が変わりました。

床屋に行ったときのことです。髪を切り終え、散髪屋の人たちの目を見て「ありがとうございました」と言いました。その時の感覚は、新鮮というか、照れくささというか、満足感というか、ぎこちなさというか、とにかく不思議な感じがしたのを今でも覚えています。

その後、入塾したいということを先生に伝え、なんとかかつうら塾で受験勉強をスタートさせることができました。これが私のかつうら塾との出会いです。

先生の言葉で、いまだに思い返す言葉があります。「人と向き合えない者は、英文とも向き合えない」という言葉です。言い換えれば、人と向き合えなければ、勉強などいくらやってもムダだということです。

考えてみて下さい。勉強ができる人って、明るく前向きな人ではありませんか? 下ばっかり見て、人の目を見ない、そんな人で勉強ができる人っていますか? かりにいたとしても、そんな人と関わりたいと思いますか? 答えは明らかです。先生の言葉はまさに核心をついていました。

みなさんもかつうら塾で、先生に「ありがとうございました」あるいは「さようなら」とちゃんと目を見て言っているはずです。それを日常生活でも実践すればいいのです。なんか気分が良くなりませんか? 自分自身だけでなく、おそらく相手の人も気持ちがいいはずです。

こんなところにも勉強ができるようになる秘訣が潜んでいるのです。「朝起きたら顔を洗う」「歯をみがく」「脱いだ靴はそろえる」「人と会ったら挨拶をする」は、生活の中で当たり前のことです。勉強も同じです。「間違ったら訂正する」「知らなかったら覚える」「わからないところは理解する」です。勉強とは、何か特別なことではなく、日常生活の延長線上にあるのだと思います。

態度を改めたこともあってか、2浪目の英語は1浪目とは比べものにならないくらいに伸びました。その後、同志社大に入ったものの、大学生活になじめませんでした。仮面浪人にも失敗し、再度、かつうら塾でお世話になり、やっと第一志望の上智大学に合格できました。

勝浦先生からこんなことを言われたことがある人も多いでしょう。「甘いですね」「見えていませんね」「メチャクチャですね」。私も嫌というほど言われました。でもそんなことでメゲてはいけません。かつうら塾は恥をかく場です。

たまにですが「アッパレ」もありました。英作文で「よく書けていますね」、英文解釈で「見えていますね」と言われたこともあります。そりゃ嬉しいものですよ。To my delight he praised me.あるいは、His compliment on me made me happy beyond description.って感じですかね。

「カッツ」ではなく、「アッパレ」をもらえるように頑張って下さい。

2011年3月7日