カナダからの手紙

 オンライン英会話のすすめ(7)

カナダの高校に留学している塾生のMさんからメールが来ました。彼女は留学前の1年間、オンライン英会話を毎日欠かさず続け、「英会話に自信がついた」と、高2の途中で留学を決意しました。

学校から疲れて帰っても、定期試験の期間中も、オンライン・レッスンは、気分転換にもなり、一日も欠かさなかったそう。

かつうら英語塾では、授業の始まる前に、全員が英語でプレゼンをします。内容は、「読んだ本の感想」「見た映画の紹介」「ニュース記事の紹介」など。Mさんの英語でのプレゼンは、オンライン・レッスンを始めてからどんどん上手くなっていきました。

英文法については、メールでは触れていませんが、Mさんの全国模試の偏差値は80を超えています。英文法に習熟していることは言うまでもありません。

以下は、カナダから届いたMさんからのメールの紹介です。

●「shyness」と「会話能力のなさ」

カナダに来て6ヶ月後にIELTSの試験を初めて受け、結果は予想していたよりだいぶん良く、自分の英語が伸びていることが確認できました。

ことばの面では、最初はやはり困ることも時々ありました。カナダ人同士の会話では、理解が追いつかず仲間に入れなかったり、授業では、完全に理解できなかったり、聞き間違えたり。しかし、みんなから「英語をしゃべるのがすごく上手いね」と言われました。

これは、来たばかりの日本人留学生で会話が成り立つ人はいない中、オンライン英会話のおかげで、最低限+αの会話はできていたからだと思います。オンライン英会話を紹介していただき本当にありがとうございました。

日本人が留学する際の問題は、「shyness」と「会話能力のなさ」が大きいと思います。英語はしゃべれないけど明るい性格の人、逆に英語はしゃべれるけど内気な人などいろいろです。私は前者が断然有利だと思います。明るいと友達ができやすく英語を話す機会が増えます。

私の友人は、来た当初は全くといっていいほど英語がしゃべれなかったのですが、体育のクラスでたくさん友達を作り、今ではネイティブと楽しく会話しています。もう一人の女子は、先に挙げた女子よりも英語は上手かったのに、スマホばかり見ていて、あまりしゃべらず、学校も休みがちで、日本人と遊び回り、英語力が伸びているようには見えません。

●心がけていること

留学で、私が心がけていることを挙げます。

●「日本人とは最低限のことしか関わらない」―日本人とかたまっていると、カナダ人の友達をつくる機会が減り、モチベーションも下がり、カナダ人からはあまりいい印象を受けないだろうと思いました。

●「日本人と会話をするときも英語で話すこと」―これは自分のなかで誇れるポイントです。というのは、これまで半年間でface to faceで日本語を話した時間は合計で30分にも満たないと思います。日本語で話しかけられても英語で返すと相手も察してくれ、英語で返してくれます。

●「失敗を恐れないこと」―授業中でも日常会話でも、思ったことはすぐに口に出すようにしています。間違った意見でも笑われることはなく、みんな助けてくれます。質問をしたら詳しく教えてくれます。この心がけで、英語を伸ばすことができました。

●「たくさん話しかけること」―これは最も意識して行動した点です。友達作りは、ほんとぉーに大変でした。もともと友達作りが上手いわけではないうえ、英語力もネイティブに満たず、最初の数日間はどうしようか、と途方に暮れていました。

でも覚悟を決め、たくさんの、たくさんの、実にたくさんの人に話しかけまくりました。授業で一緒の子はもちろん、ロッカーが隣の子にも、校内で見かけた子にも、「髪の毛、素敵だね」「そのドレスかわいいね、どこで買ったの?」など、たわいもないことを、時には思ってもないことでも(笑)、口に出しまくりました。道ですれ違って目があった人には必ず、”Hi! How are you?”と挨拶したり。

●「英語を話す機会を増やすこと」―スマホを見るのは日本にいてもできること。通学のときにスマホで音楽を聴くのはもったいないと思い止めました。近くに住んでいる子と仲良くなり毎朝一緒に登校しました。

その子とは思った以上に仲良しになり、ホストファミリーがいなくて、英語を話す環境にない時は、その子の家ですごすようになりました。英語の宿題を教えてもらったり、数学の宿題を教えたりしています。部屋で、テレビやスマホや音楽に多大な時間を費やすのは楽かもしれませんが、無駄だと思います。

●「笑顔でいること」―辛いことがあっても、それは隠して、人前では明るく笑顔でいるようにしました。これができないと留学は失敗すると思います。

●「異文化の体験」と「壁を乗り越える力」

学校の授業に関しては、前の学期にとっていた授業は、数学(得意だから)、体育(友達を作る機会になる)、写真学(日本にはない学科)、それにESL(English as a Second Language)でした。初めは数学の代わりに歴史をとっていたのですが、授業についていけず、キャッチアップ+宿題で放課後5時間ほど費やしていました。

過度の勉強はストレスになるだけであまり英語力の向上になるとは感じられず、ホストファミリーにも心配されました。

そこで、机に向かう勉強だけではなく、友達の家に遊びに行き、友達と過ごすことで英語力のアップに務めるようにしました。こんなのでいいのかなと少し不安を感じながらも、結果的にはいい選択だったと思っています。

次の学期にとる授業は:

・English(grade 11 academic level)
・American History (grade 11 academic level)
・Anthropology, Psychology, Sociology (grade 11 academic level)
・Drama(grade 12 academic + apply mixed level)

難しい授業が3/4もあり、もし不可能なら変更することもできますが、できればこのまま頑張ろうと思っています。英語の先生にも「今のあなたの英語力なら大丈夫」と言われたので、必死でついて行くつもりです。

何度も言いますが、オンライン英会話がなければ今の私はないです。私にとって、オンライン英会話は手段、留学は目的(夢)でした。

留学での最大の利益は、英語の習得ではないと思います。最低限の英語力は事前に身につけておくべきもの。その後の英語力は努力に伴って伸びていきます。一番大きいのは、日本と違う環境や考え方を体験し、壁に当たったときに乗り越えていく姿勢だと思います。

M・M

2019年8月16日

参考までに:

IELTS (International English Language Testing System)アイエルツは、120カ国、約6,000の教育機関・国際機関・政府機関が採用し、年間140万人が受験する、世界的に認められた英語運用能力試験です。アメリカでは、約3,000校の大学がIELTSを採用しています。また、日本の大学入試でも、外部検定試験の一つとして採用されています。

留学6ヶ月でのMさんのIELTS(アイエルツ)のスコア:

Overall (総合)6.5 / Listening 7.0 / Reading 6.5 / Writing 6.0 / Speaking 6.5

IELTS(アイエルツ)6.5の換算目安は、(英検)準1級~1級、(TOEIC)820~870

留学6ヶ月後で、このスコアは驚異的です。Mさんの英語力が、これから半年間で、英検なら1級、TOEICなら900台の後半に到達することは容易に想像できます。