高校生活は本当に良かった
H・N 高松高校卒
【終わりの始まり】
2022年4月、僕は希望を胸に高校に入学した。勉強や部活、恋人。すべてが順風満帆に進むと思っていた。いま振り返ると、入学式の時のあの期待を超えたことは、3年間で一度もなかった。学校教育の問題点については、かつうら先生の話や、先輩方の体験記を読めば分かるので割愛する。僕が書くのは、「高校ですべきこと」と「受験勉強について」だ。
【推し活をしろ】
「推し活をしろ」とは、アイドルグループを応援しろということではない。何か夢中になれることを見つけろという意味だ。僕の場合、その対象は部活だった。部活が生きがいだった。勉強は、3年生になれば嫌でもやることになる。だからこそ、1・2年生のうちに、自分が夢中になれる何かを見つけておくことを強くすすめたい。それは、受験を乗り越えるときの「支え」になる。
【2億4000万分の1】
クラスメイト、部活の仲間、放課後に遊ぶ友人たち。今の僕の人格は、高校3年間で出会った人たちに大きく影響されている。一緒に笑ったり、時には対立したりすることで、今の自分ができあがった。人が一生のうちに「友人」と呼べる人に出会える確率は、2億4000万分の1だと聞いたことがある。この体験記を読んでいる人にも、友人がいることのありがたさを知って欲しい。
【受験勉強で得られるもの】
受験勉強で得られるもの。それは ①謙虚さ ②幸福感、だと思う。 受験勉強を始めると、自分と向き合う時間が増える。分からない問題に何度も出会い、打ちのめされる。でも、不思議なことに、その経験は日常生活にも生かされる。自分の弱さを知ることで、他人と比較しながら自分の在り方を見つめ直すようになる。そうやって、人は少しずつ謙虚になっていく。同時に、自分が置かれた環境にも感謝するようになった。かつうら塾に通えるありがたさ、友達と一緒に勉強できるありがたさなど、僕は、勉強をすることで幸福感を得られた。
【受験勉強で失うもの】
一方で、受験勉強によって失うものもある。僕の場合は「自信」だ。 勉強すれば自信を得る人もいるが、多くの人は自信をなくすのではないかと思う。そのとき、自分とどう向き合うかが最大の悩みだ。 僕は、気を病む前にリフレッシュすることを心がけた。後輩とご飯に行ったり、友達と温泉に行ったり、部活に顔を出したり、かつうらの音声ファイルを聴いたり。それでも病んでしまうことはあった。そんなときは、いろいろな人に相談した。相談できる人や、リフレッシュできる友達を持つことも、勉強の1つだと思う。
僕の高校生活は、「すべてがうまくいった」とは言えない。それでも、出会った人たちや、その人たちと一緒に過ごした時間のおかげで、「本当によかった」といえる3年間だった。この体験記を読んでいる人には、夢中になれるものを見つけてほしい。そして、自分を支えてくれる人たちの存在を大切にしてほしい。
受験勉強はつらい。だけど、それを一緒に乗り越えられる人がいればきっと大丈夫。これが、僕の高校生活の総括であり、後に続く世代に向けたエールである。
2025年4月9日