勝浦で学んだこと

 

     勝浦で学んだこと

N・N  神戸大学国際文化学部 (2006年 高松高校卒)

私は野球部のマネージャーをしていました。朝は六時前に家を出、夜は家に帰ると九時。土・日もテスト期間中も休みなしというハードな生活を送っていました。

そのため、勉強する時間は他の人より少なく、一年の終わりくらいから成績もどんどん落ちていきました。担任の先生に怒られたりしたけど、それでも部活が好きだったからやめようとは思いませんでした。

三年になると、周りのみんなはもうすでに受験勉強を始めていたけれど、私は相変わらず部活、部活の毎日で、完全に出遅れた状態でした。結局、本格的に受験勉強を始めたのは夏の大会が終わった七月中旬。

さすがにこれではヤバイ、今まで勉強をおろそかにしてきた罰だと思いました。いくら勉強してもすぐには結果が得られる訳もなく、ついてくるものは不安や焦りばかり。とにかく遅れを取り戻そうという一心で必死になって机に向かう毎日でした。

しかし、そんな私に勝浦先生は「受験が全てではない」ということを教えてくれました。もちろん、大学合格は大きな目標だけど、でも本当に大事なのは、世間のいう「イイ大学」に入ることなんかではなく、もっと他にあるんじゃないか、と思うことができました。

そうすると、なんだか心にゆとりができたような気がし、「今まで部活に費やしてきたエネルギーを今度は勉強に向けよう」と、気持ちをうまく切り替えることができました。今思えば、このとき前向きに考えられたことが私の中で大きかったと思います。

こんな風に考えられたのも勝浦先生のおかげです。 勝浦塾に入り、チュンプルズという素晴らしい本に出会い、カギカッコから始まりたくさんのことを学びましたが、なによりも良かったことは、勝浦先生に出会い勉強以外の大切な話を聞けたことだと実感しています。

ばかばかしいようだけど、時間を守るとか、あいさつをするとか、靴をそろえるとか、何気ないことや当たり前のことが本当はとても大切で、それが相手への誠意なのだと思います。

先生のいう、「気」や「感覚」を大事にして決して周りに流されない人になりたいなあとつくづく思います。 今、高校生活を振り返って、私は部活に一生懸命打ち込んだことを後悔してないし、寧ろ誇りに思っています。将来のためになにかすることも大切だけど、一度しかない今この瞬間を大事にすることも大切です。常に「心」を「亡」くさないようにこれからも頑張っていきたいと思います。