Lucky us !

 

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K・Y  東京大学文科三類 (2006年 高松高校卒)

大学生活の中で、勝浦塾を思い出すことが何度かあります。勝浦塾で得たものは、大学生活の中でも生きています。それは英語だけに限りません。そのことについて書きます。

まず大学の英語についてですが、英語の講義では、速読と語彙のテストが毎回あります。平均点は高く、ほとんど差はありません。留学していた人も多く、語彙力や読むスピードでは敵わないと思いました。

しかし、友達の話や、講義中当てられた人の答え方を聞いていると、ほとんどの人が内容をぼんやりとしか把握してなく、適当にしか読んでいません。期末試験では、込み入った箇所の和訳や文法が問われるのですが、難しい文章をゆっくりでもきちんと読むことに関してはだれにも負けていないと感じています。

講義中の教官の質問や試験からわかるのですが、教官は、英語をきちんと読む能力を重視しています。しかし、大学の英語の講義では、文構造の把握の練習などはやりません。構造的に込み入った箇所や代名詞の働きなどについては、ちょっと説明するだけで、当然のように先に進みます。扱っている文章は面白く、講義自体は良いのですが、正直言って、教官には「学生の英語力を育てる」という気はあまりないようです。

なんとなく読めているだけでは許されない文章はたくさんあります。勝浦塾で英語をしっかりと読む訓練をしていて、本当に良かったと何度も思います。勝浦塾の( )や[ ]を使う方法は、日本語の込み入った文章を読む際にも役立っています。時間をかけてじっくり培った「読む」力は、受験に限らず、大学での勉強にも生きています。

英語以外でも、勝浦先生のことを思い出すことがあります。

例えば、環境についての講義で、ある教官はこんなことを言っていました。「地球温暖化は本当に進んでいるのか。CO2を減らせば地球は救えるのか。効果が出るほどCO2を減らすことは可能なのか。リサイクルは本当に良いのか」と。

他にも、逆説的だったり過激な意見にもたくさん出会います。これらには極論もありますが、納得させられたこともあります。テレビや新聞等は、情報を「売れる」ものにするために、事実を歪曲したり、誇張したり、隠蔽することがあります。情報を鵜呑みにすることの危なさを感じるとともに、物事を批判的に見ることが大切だと思います。

そんな時はいつも勝浦先生のことを思い出します。授業の合間に、ニュース等についての先生独特のご意見をよく耳にしました。その意見が正しいかどうかは別問題として、見習いたいと強く思ったのはその姿勢です。

「この人を見習いたい」と思うような人と出会えたのは、貴重で幸運なことです。僕にとって、勝浦先生はそのような人の一人です。高校生活や受験の時だけでなく、大学生活を通しても、またおそらくこれからも、「勝浦塾」は僕の中で生きていくでしょう。

皆さんも、ぜひ勝浦塾で様々なことを吸収してください。受験に限らず、その後もずっと残る大きなものを得られると思います。