理想と現実の間で
匿名希望 (2008年 XX高校卒)
2008年、一ヶ月間、大学を受けまくった。その結果、滑り止めだった大学に今は通っている。大学に入って二週間が過ぎた。
滑りまくって絶望感しかなかった。そのときの、先生とのメールのやり取りを思い出す。あんなに勉強したのに、何でこんなアホみたいな大学に入らなければいけないのか、神様なんて不公平だ、と自分の大学をけなし、運を嘆いた。
そんな私に、先生がかけて下さった言葉がある。「自分の行く大学をけなしても仕方ないでしょう。その大学に行って良いと思う点を三つあげてみてください」
精神も不安定で、先が真っ暗にしか思えなかった私に、まさか『丸亀町理論』が投げかけられるとは。でも良い点を考えると、良い点が難なく見つかった。
「親が安心できる」「友達がいる」「たぶん学内でトップでいられる」……。三つどころではなかった。考え出すと数え切れないほど見つかった。自分で書き出した良い点を見つめながら、人生が終わったわけではない、むしろこれからが大切なんだと思えた。
その後も先生はやはり先生らしい説得力のあるメールを下さった。
「二点差で落ちたとは!」「人生とはそんなもんですよ」「人生には失敗があって成功があります」「オセロゲームと一緒です」「一瞬にして白に変われば、突然、全部が黒にもなります」「大事なのは結果ではありません。起こった結果にどう向き合うかです」「結果がどうあれ、その結果にどう向き合い、どう行動するかです」「それで、人生は全く違うものになります」
私を深く納得させ、暗闇から救い出してくれた言葉たちだ。
勝浦塾で学んだたくさんのことを思い出す。入塾して、初めは全然ついていけず、もっと早くから入塾していれば……と後悔した。授業が理解できず、置いて行かれた分だけ焦った。終いには塾に行くこと自体が苦痛になった。「英標」を見るだけで気分が悪くなり、何度も辞めたいと思った。
しかし英語を学びたいという意欲だけは持ち続けた。疑問点には、納得がいくまでチュンプルズをめくった。時間はあっという間に過ぎた。だんだん、英語に対する知識が増えていき、学校での成績も知らない間に上がった。初めは信じられなかったが、学力は勝手に伸びていった。
先生の話は言うまでもなく人を魅了する話ばかりだ。私は勝浦塾の生徒であった奇跡と、先生と関われたことを誇りに思っている。先生がいなかったら、私は前向きにはなれなかっただろう。たまたま兄が通っていたので私も通うことになったが、私はこれを偶然ではなく必然と呼びたい。
四年間の大学生活の中で、まずはTOEICでハイスコアを目指す。英語の勉強を継続する。大学の授業を大切にする。家庭学習も怠らない。どんな学生よりも意味のある濃くて有意義な学生生活を送ろう。今しかできないことをやろう。将来に希望を抱いて生きていこう。
入試に失敗し挫折を味わい、こうして自分を見つめ直して気づいたことがあります。みなさんに伝えたいことです。
今、あなたが、勉強が思うようにいかず、大学入試に不安を抱いていても、心配することはありません。本気で考え行動すれば変われます。ベストを尽くし、それが納得のいく努力であれば大丈夫です。
不安を抱えている暇があったら、できないことを考えるのではなく、できることをやればいいのです。だれだって、できないことはできません。できることを一つひとつやっていけばいいのです。