英検1級合格までの軌跡と学び
O・N 通信受講生・愛媛県在住・59歳
2025年7月、4度目の挑戦で英検1級に合格。手応えは乏しかったが、「かつうら英語塾」の通信講座で学び続けた成果が実を結んだ。
●なぜ今、英検1級に挑戦したのか
愛媛大学の英文科を卒業し、32歳で英検準1級に合格した。それがきっかけで、勤務先から2年間オーストラリアに派遣された。それ以降は仕事や家庭の雑事に追われ、1級に挑戦する気力はなかった。しかし、60歳を前にして「中途半端なままでは終われない」「将来的に英語塾を開くかもしれない」「かつうら塾で英語を学ぶ楽しさが再燃した」など、複数の動機が重なり受験を決意した。
●4度目の挑戦――学びの本質に立ち返る
「なぜこれまでダメだったのか」「何をすべきなのか」を根本から見直し、「かつうら塾」の音声講座でのアドバイスを徹底的に実践。特に重視したのは、「音読する」「復習する」「学習を記録する」「自己肯定感を高める」だった。
学習時間よりも内容に注目して記録する「なんでも手帳」は、自信の根拠を可視化する強力なツールとなった。特に調子の悪い日も、「その日できたこと」を書き出すことで、継続へのモチベーションを保った。学習時間は平日は1時間、土・日の週末は3時間ずつ。
「学習時間が短かった」と嘆くのではなく、「今日はこの1つをやった」と肯定する思考法が、学びの継続と効果につながった。
●本番の試験と、その手応え
一次試験では、語彙問題は例年通りで難解だったが、読解は手応えあり。リスニングもこれまでで最も集中でき、内容の理解も深まった。
二次面接は、準備不足のまま臨んだが、会場の雰囲気が落ち着いており、不思議と口が滑らかに動いた。即興で2分間のスピーチを行い、その後の質疑応答も無難にこなした。言葉に詰まり、沈黙が続くという最悪の事態は避けられたが、合否の判断は自分ではつかなかった。
●結果と、その後の気持ち
一次試験:スコア2073(合格基準2028)
二次試験:スコア637 (合格基準602)
合計 :スコア2710 (合格基準2630)
愛媛県内の英検1級受験者の上位2%に該当。※受験者数は非公表
合格通知を見た瞬間の感情は、「喜び」より「安堵感」。これまでのプレッシャーから解放されたことが大きかった。「かつうら塾」の講座を通じて得られたものは、資格以上に「学ぶ姿勢」であり、それが読解力やリスニング力、記述力の大幅なスコア向上につながった。
●試験を通じて見えてきた教育の課題
英検に挑み、共通テストを中心とした日本の英語教育の問題点にも気づいた。処理能力の速さばかりが重視され、「理解しながら読む」姿勢が軽視されている。生徒たちの力を正しく測るものになっていないと感じる。
また、英語学習を生徒まかせにする体質は、真の学びにつながっていない。学力は、「本人の努力」だけでなく、「学校の支え」があって初めて育つものであり、それを教育現場がどれだけ理解しているかが問われる。
指導もせず、模擬試験に明け暮れるのは、野球で言えば、無意味にひたすら千本ノックをくり返すようなものだろう。
●今後の展望 ― 楽しむ英語へ
今後は試験のための英語から解放され、英語を楽しむ方向へ進みたい。字幕なしで映画を観たり、英字新聞をすらすら読めるようになったりと、実用的かつ、心が豊かになる学びを続けていきたい。
退職後は、今までの学びを活かし、地元で英語塾を開くことも考えている。「努力すれば必ず何かが得られる」という確信は、今後の人生にとって大きな財産になると信じている。
2025年8月2日
