自分で選び、自分の手で掴む
M・M 国際基督教大学教養学部 (2022年・高松高校卒)
高2末から1年間、高校を休学、カナダに留学し、現地の公立校に通いました。(『カナダからの手紙』参照) 現在は、国際基督教大学教養学部の2年生です。
●高校生活で感じた違和感
高校生活は、能力が数値化されたり、他人と比較されることから、違和感や息苦しさを感じていました。
しかし、それは自業自得で、「もっと高い点数を」「もっと上の順位を」「もっといい偏差値を」と、自分で自分にプレッシャーをかけていたからかもしれません。
ハンドボール部では仲間に恵まれ、放課後を楽しみに過ごしました。勉強できることはありがたいことなのに、いつからか、勉強は「やりたいこと」ではなく、「やるべきこと」に変わっていました。
他の学科は嫌いでも、英語だけは中学の時から変わらず好きでした。かつうら先生の支えもあり、英語は高校でも「楽しい」と思いながら勉強できました。授業の最後に配られる「かつプリ」は、勉強と学校生活の違和感を言語化するのに、とても役立ちました。
●オンライン英会話との出会い
HLABサマースクール(詳しくは後ほど)に参加したことをきっかけに英語力への自信をなくしていた時期に、かつうら先生の勧めでオンライン英会話を始めました。
かつうら先生が、生き生きとその体験を語る様子を聞いて、授業のあとすぐに体験レッスンに登録しました。初めてのレッスンは、とても緊張しました。挨拶もたどたどしいまま、25分のレッスンを終えました。脳が熱くなり、頭がショートするような感覚でした。(大袈裟に聞こえますがホントです)
拙いながらも英語を喋ろうとしているということだけで、「考え」「声」「表情」「会話」「リズム」まで、日本語とはすべてが異なっていました。1ヶ月も続けると、英会話がスムーズになり、発音も変わりました。かつうら先生に、「スピーチで声の出し方が変わったね」と、言われました。
なぜだか、英語だけでなく他教科の成績も上がり始めました。「なんや、いいことばっかりやん!」。その後、留学するまでの1年半、毎日欠かさず続けました。緊張しながら、たまにはサボりたいなと、感じながらの日々でした。しかし、慣れてくると楽しくなっていき、レッスンが習慣になりました。飽きっぽく、何事も3日続けばいい方な私が、こんなに何かを長く継続できたのは初めてのことです。
レッスンを継続しようと決めた理由は、かつうら先生が「絶対に毎日続けるべきだ」とおっしゃっていたからです。それに、月額制なので、「毎日やったほうがお得やん」と思っていたからです(笑)。
同時に「1回サボったら終わりだ」とも感じていました。熱が出たときも、元旦も、休みませんでした。ストイックに聞こえますが、この頃には単純にオンライン英会話を楽しめるようになっていました。「楽しい」がいちばんです。
私の大学(ICU)では、英語の授業が多く開講されています。一方、初めから英語での授業の準備ができている人は多くありません。そのため、1年時に必修のELA(English for Liberal Arts)というプログラムがあります。ディスカッション、リーディング、プレゼン、エッセイライティングなどを鍛えられます。
入学時に、英語のレベル別のクラス分けがあります。第1グループは海外で育ち、英語が第一言語と言っても遜色ない人たち。第2グループは、日本語の方が得意な帰国子女の人たち。第3と第4グループは、交換留学経験者や海外経験のない人たち。私は第2グループでした。その中でひとりだけ、海外経験のない友達がいました。
彼女は、海外経験がないのに、そう言われないとわからないほどの英語力です。聞いてみると、高校時代に、オンライン英会話を毎日1〜2コマ受講していたそうです。共通点があって、嬉しくなりました。
●オンライン英会話の講師になって
大学生になった現在、私は講師としてオンライン英会話に携わっています。講師になった主な理由は、会費を払って受講するよりも、会費をもらう側になった方が得だと思ったからです。採用試験もすんなり受かりました。生徒さんのなかには私よりも流ちょうにしゃべるオジさんもいます。その人はオンラインのプログラムが始まって以来の受講生で、10年以上も続けているそうです。
生徒さんの多くは社会人で、都市圏の人が多く、海外在住の人もいます。海外にいてもしゃべる機会がない人もいるということです。ただ漠然と海外で暮らせば英語が上達するなんてことはありません。
住む場所に関係なく受講できるのが、オンライン英会話の魅力です。高校生にとって、これは大きなチャンスです。数回無料で体験できるものも多くあるので、騙されたと思って試してみてはいかがでしょうか。
●大学生活
ICUでの生活は、受験勉強とは異なり、のびのびと学び、自分の成長が実感できます。少人数制の授業では、教授との距離が近く、心地いいです。ディスカッションの機会が多く、周りの意見に刺激を受けています。プレゼンやエッセイの課題など、社会人になったときに大切なことを学んでいます。
授業外でも対話を重視するICUには、キャンパス内に10棟の学生寮があり、私もその一つで留学生と共に生活しています。一緒にご飯を作ったり、散歩に出かけたり、風呂に入ったり、課題に取り組んだり、楽しく過ごしています。
私立大学なので学費は高いですが、私は、大学と国からの奨学金で、学費と生活費はほとんど免除の状態です。大学、企業、政府による奨学金制度は数多くあります。経済的負担を減らす方法はたくさんあるということです。
最後に、私の人生の転機であり、留学する決め手となった『HLABサマースクール』というプログラムを紹介します。「高1の時に参加」しました。大学生になってからは「運営側」として携わっています。ぜひ覗いてみてください。
2023年1月25日