ノー・かつうら、ノー・ライフ!
H・A 大阪大学工学部(2023年・高松高校卒)
「英語は想像力で読むもの」。これは、高校の最初の英語の授業での言葉だった。別の授業では、辞書を使わずに推測のみで英文を読むように指示された。さらに別の授業では、パラグラフリーディングと称する胡散臭い読み方を教えられた。生徒の口からは授業に対する不満が続出していた。これが全国偏差値71の、県内随一といわれる進学校の英語の授業の実態である。
年に数回実施される「実力テスト」は、『英標』から出題された。教師は、『英標』を絶賛する。それでいて、まともに『英標』を教えない。たぶん、教師自身が『英標』を教える能力もないし、読んだこともないのだろう。自分の力で勝手に読めと、生徒に丸投げする。生徒はわけも分からないまま、ただひたすら『英標』の日本語訳を丸暗記する。決して英語の勉強ではない。
試験の出来が悪ければ、「生徒の出来が悪い」と酷評する。生徒のモチベーションは下がるばかりである。こんな試験で、生徒の英語力が測れるはずがない。私は入学半年にして、この高校での英語の授業に絶望した。そんな中、友人の紹介でかつうら塾に出会った。
かつうら塾は違った。授業では、かつうら先生が矢継ぎ早に質問を投げかけてくる。形式上はシンプルなものだった。だがその質問は無駄がなく核心を突いていた。「文構造はどうなっているのか」「itは何を指すのか」「不定詞の働きは何か」。生徒が応える解答も一切の妥協が許されなかった。既存の英文法のルールから逸脱することなく、生徒に英文を隅々まで把握させることに徹していた。
授業を通して「省略」や「倒置」が頻出する難解な『英標』が読み解かれていった。目の前の霧が晴れていった。思わず”Eureka!”と叫びたくなるほど爽快だった。想像力や憶測で英文を読めという高校の授業とは真逆である。
かつうら塾の魅力は英語の分かりやすさだけにとどまらない。かつうら先生が授業中に扱うレジュメは、西洋哲学、仏教、恋愛に至るまで多種多様である。どれも私がそれまで抱いていたネガティブな感情を取っ払ってくれた。自己肯定感を上げてくれるものばかりだった。その結果、何事もポジティブにとらえられるようになった。自分の能力や行動に自信が持てるようになった。他人の失敗に対しても寛容になれるようになった。ネガティブ思考がもたらす苛立ちやストレスからも解放された。
受験生はよくこうグチる。「自分はこの教科が苦手だ」「こんな問題は出来ない」。しかし、受験は学力だけでは決まらない。気持ちの持ちようで結果が大きく変わる。不安がらずに「絶対できる」と自分を信じることである。その「自信」が合否に大きく影響する。
「努力は裏切らない、はウソ!なんどでも裏切られる。だが、努力以外にすべはない」。かつうら先生が紹介してくれた言葉のなかで、私はこれが一番好きだ。私を支え続けてくれた言葉である。
なかなか成績が伸びず何度も挫折した。現役の時は第一志望に届かず浪人した。浪人しても成績はあまり伸びなかった。それでも、勉強するしかなかった。一途に勉強した。そのおかげで合格をつかみ取ることが出来た。この言葉は、大学に入学し、これから研究活動を行ううえでも私を支え続けてくれるだろう。今の私があるのは、かつうら先生のおかげである。
2024年3月18日