勝浦英語塾では、英語指導歴30年のエキスパートが、大学受験英語を通して、30年後にも通じる、生き方と在り方とその方向性を伝えています。 

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月曜日はなぜブルーに

― オンライン英会話のすすめ(4)

●日本人は英語をしゃべる環境にない

「英語がしゃべれないと、社会の第一線で活躍できない」「英語がしゃべれないと、国際化の波に乗り遅れる」。こんな強迫観念に駆られている日本人は多い。しかし、日本で生活している限り、英語がしゃべれなくて困ることは何もない。普通に暮らす日本人にとって、英会話ができて役立つのは、せいぜい外国人旅行者に道案内ができることぐらいだろう。英語がしゃべれなくても決して卑屈になることはない。

日本人は日常的に英語をしゃべらなくてはいけない環境にないのだから、日本にいて英会話を習得することは極めて難しいということになる。

小学校から英会話を導入しようが、大学入試で英会話を重視しようが、成果は上がっていない。実際、2006年度からセンター試験にリスニングが導入され、すでに十数年も経つが、若い世代のリスニング力や英会話力が向上したという声はどこからも聞こえてこない。

●挫折する人は多い

1年前に、「オンライン英会話」に出会い、大げさではなく、私自身の英語学習に革命が起きた。書斎にいながら毎日ネイティブとしゃべれるのだから、こんな恵まれた環境はない。毎日しゃべれる機会を得て、日々、英会話力が向上し、レベルアップしていくのを実感している。このまま、2年、3年と続けていけば、限りなく流ちょうになるだろうと容易に想像できる。

「オンライン英会話」の存在やその良さを知る人は増えているが、問題は、なかなか続けられないことにある。私の『レアジョブ』の会員番号と現在の登録者数から類推すると、オンライン・レッスンが続けられる人は、10数パーセントくらいだろうと思われる。言い換えると、6人中5人が挫折して退会していることになる。

さらに、退会はしないものの、レッスンを受講するのは3日に1回とか、週に1回という会員もたくさんいるだろう。したがって毎日受講する会員は、ほんの1、2%に過ぎない。いいとは分かっていても、継続できる人は少ない。

●90日で自信がわく

『レアジョブ』のウェブサイトには、グラフが表示されていて、レッスン回数が90回を超えると顕著な伸びが認められるとある。私の経験からもその通りで、毎日受講すれば、わずか90日で確かな手応えが感じられるようになる。

1回のレッスンは25分。おおよそ30分で計算すると、30分×90日=45時間。高校での授業が60分で週5日あるとすれば、たった9週間で、中級レベルの会話力を身に付けることができることになる。

ただし、それは基礎的な文法力が身についていればの話で、ブロークンをいくら積み重ねようと、それはブロークンでしかない。ブロークンはどこまでいってもブロークンであって、それがどうにかして正しく自動修正されるなどという虫のいい話はない。

●オンライン・レッスンを国家プロジェクトに

テクノロジーの発達ともに、学習環境もどんどん変化している。Skype(無料テレビ電話)を使ったオンライン・レッスンは大きな可能性を秘めている。

膨大な予算を使って小学校に英会話を導入したり、中学・高校で英会話を重視したカリキュラムなど組まなくても、あるいはALT(外国語指導助手)などに頼らなくても、公教育の現場に「オンライン英会話」を導入すれば、問題は一挙に解決する。

メリットはまだある。フィリピンには高学歴で有能なオンラインの先生が数多くいる。実際、フィリピンはアメリカ企業のコール・センターの拠点になっている。フィリピンと2国間協定を結び、国家プロジェクトとしてオンライン・レッスンを立ち上げれば、それはフィリピンの雇用創出にもつながり、友好関係をさらに深めることができる。

●たった2秒をバカにするな

私は塾生に紙辞書をすすめている。(『電子辞書は封印し「紙辞書」に戻ろう』参照)。辞書が箱に入っていたり、ビニールカバーがかかっていたりすると、その場で捨てるようにすすめている。辞書を箱から出すのに1秒、ビニールで指がすべることで1秒のロスがあるとする。これは辞書を引くたびに2秒のロスが生じることを意味する。

1日に10回辞書を引けば、20秒のロス。1年で7,300秒、すなわち1年で2時間のロスが生まれる。たった2秒の短縮が、1年で2時間の節約になる。辞書は引けば引くほど速くなるから、箱とビニールカバーを捨てることで生まれる累積効果はもっと大きいことになる。積み重ねは、計算上の数字以上に大きなものを生む。

オンライン・レッスンを毎日受講すれば90日で自信が持てるようになる。だが90回を消化するのに、3日に1回だと270日かかる。週に1回だと630日、ほぼ2年かかる。ここまで間が空いてしまうと、進歩を実感することはできない。週に1回、英会話学校に通って、どれほどの効果があるというのだろう。

水泳でいえば、温水プールなどなかった時代と、1年を通じて毎日泳げる現代とでは、練習量に圧倒的な差がある。世界記録の推移を見ればその結果は歴然としている。

英会話では、スポーツと同じ瞬発力や条件反射が求められる。ピッチャーが投げた時速145キロの球がキャッチャーミットに収まるまでのスピードは0.42秒。このわずかな時間に、球種を見極め、足を踏み込み、手首を返してなどと考えていてはヒットは打てない。野球選手はみな、素振りを延々と繰り返し、瞬発力を身体に覚え込ませている。

言葉を交わすたびに「アー」「ウー」とfillerが入ったのでは、会話にリズムは生まれない。3、4秒も沈黙が続いたら、会話そのものが成り立たない。野球選手ならバットを振らずに見逃し三振になる。

●日曜に休むから月曜がイヤになる

『レアジョブ』では、約6,000円の月謝で、毎日25分のレッスンが受けられる。1年を通じて休みは、クリスマスイブとクリスマス、大晦日と元旦の4日だけ。その4日に対して、振り替え用のチケットがオンラインで4枚配布されるから、事実上休みはゼロ。意思の力さえあれば、毎日継続できるようになっている。

私の場合、この1年間で休んだのは6日。達成率は359日÷365日=98%。語学の習得は、とにかく反復訓練と継続がものをいう。いったん習慣化してしまえば、逆に休むことが苦痛になる。6日の休みは、体調不良とやむを得ない私用のせいで、怠惰からではない。

3日に1回なら、あるいは週に1回なら続けられそうに思う。だが、実際は違う。間隔を空けるから、レッスンのたびごとに緊張とストレスを味わうことになる。休みなど設けるから再開がイヤになる。

月曜日はブルーマンデイと呼ばれる。土・日と休むから月がおっくうになる。土・日も平日と同じように過ごせば、月はブルーでなくなる。ヘタに休みを取るからレッスンがおっくうになる。日曜日が休日となったのは、明治以降に西洋化されてからの話。江戸時代までは日曜が休日という概念はなかった。

レッスンに関して言えば、1年を同じリズムで過ごせば、それが当たり前の習慣になる。習慣化と継続は語学習得への大きな一歩であり、それがすべてとも言える。たった25分のレッスンが継続できないというのであれば、語学の習得など夢のまた夢だろう。

●うんざり感よりも、ワクワク感を

私は、『レアジョブ』が配信するDaily News Articleをテキストにしている。300語ほどのニュース記事で、ネイティブがナチュラル・スピードで読み上げる音源が付いている。この音源はエンドレスにリピートするからリスニングやシャドーイングに適している。また、携帯用のオーディオ機器にも簡単にダウンロードできるようになっている。

よく考えて作られた教材だと、つくづく感心する。日々欠かさず更新される点がまたいい。飽きずに毎日取り組める。

このニュース記事のシャドーイングを毎日2、30回やっていた時期があったが、連日となると負担が重くのしかかる。やればやるほど効果があるが、切りがないので、今は10回にとどめている。さらに正確にはシャドーイングではなくテキスト付きのパラレルリーディングを行っている。この方がムリなく楽しく続けられる。

オンライン英会話を始めて、英英辞典を使う回数が圧倒的に増えたが、英和辞典もよく使う。英英辞典だけに固執しているとストレスが溜まる。ムリをせず、英和辞典でさっさと意味を確認した方が精神的にスッキリできる。

こう考えると、文科省の提唱する「英語で英語の授業を」が、現場と実践を無視したまったくの机上の空論であることがわかる。

Learning a foreign language is a job which is never finished. 外国語の勉強はどんなにやっても終わりがない。ムリをしてはいけない。ムリは継続のブレーキになる。結局、長続きしない。うんざりするほどの量では続かない。自分にとってワクワクして楽しく取り組める量や方法を見つけるといい。楽だから楽しい。楽しいから続けられる。楽しいからモチベーションがわく。

アンドレ・ジイドはこう言う。「平凡なことを、毎日、平凡な気持ちで実行することが、
すなわち非凡なのである」

2018年11月6日

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