I love「小論」、I hate「共テ」
Y・S 国際教養大学国際教養学部 (2022年・高松高校卒)
1.ステイタスの高い大学に行く 2.スペックの高い配偶者を見つける 3.ハッピーな専業主婦になる
これは、かつうら塾に入るまでの私のライフ・プランでした。引っ込み思案で、周りに流されやすく、自分で進路を決めるなんてもってのほかでした。とりあえず有名大学に入りさえすればいいと思っていました。そのためには偏差値を上げなければと思い、かつうら塾に入塾しました。
初授業は、「公開処刑」かと思いました。ひっきりなしに飛んでくる先生の質問を交わすのに精一杯で、恥をかきたくない一心で勉強しました。
・授業で習ったことは絶対に忘れない。
・チュンプルズは1日1周する。
・テキストの『英標』は毎日音読する。
これら3つのルール、プラス予習を自分に課しました。その結果、50台だった偏差値は70台へ。大学受験は余裕かも、なんて考えていました。
しかし、高3の夏ごろから成績が急降下。理由は共通テストが苦手だったからです。そこで某予備校の共通テスト対策コースを取りました。
しかし、共通テストの勉強は退屈で、成績も伸びません。その予備校の先生は「英語は想像力で読むもの」と言い、かつうら先生とは真逆の考えでした。「かつうら塾はやめなさい」とまで言われる始末。自分にとって、いちばん辛い時期でした。
受験生活で唯一の楽しみは、週1回のかつうら塾。精神的にきつくなったとき、自分に自信が持てなくなったとき、かつうら先生の話やプリントに何度も救われました。
共通テスト本番は、大量の問題を短時間で解かされ、疲労感だけが残る2日間でした。結果は7割の出来。国際教養大学の合格者の得点率は76~97%。1次と2次の比率は5:2で、逆転は不可能に近い。判定もFで壊滅的でした。
それでも諦めずに、1ヶ月後の2次にはしっかり臨もうと思いました。
国際教養大学の2次は、600字の「日本語の小論文」を1時間で、300ワードの「英語の小論文」を2時間で書き上げます。日本語と英語で、自分の考えを書く力が求められます。
かつうら先生が勧めてくださったのが、新聞の縮約。社説や評論文を3分の1に縮約。初めは、納得のいく縮約文が完成するまで、1本につき2時間も3時間もかかっていました。慣れてくると、1時間から30分と時間が縮まり、端的で分かりやすい縮約文が書けるようになりました。
本番の「日本語の小論文」は、本文を要約する設問でした。縮約の練習を毎日していた私には楽勝でした。時間も余るほどでした。他の受験生が口々に難しかったと言っているのをよそに、充実感と達成感を感じていました。
「英語の小論文」の主題は、成績評価についての教育論。かつうら先生の教育論をフル活用させていただきました。日本語であれ英語であれ、考えをまとめる力は国語力です。内容には絶対の自信があったし、英文もほぼノー・ミスで書けました。まるでかつうらで学んだことの集大成のような試験でした。
試験の後、一つのこと成し遂げた満足感に浸り、これまで受けてきたすべて試験のなかで初めて充実感のようなものに包まれました。
結果は、特別科目等履修生として合格。想像ですが、おそらく小論枠での合格だと思います。共通テストの点数では合格ラインに全く届いていなかったので、小論文の出来が相当よかったのだろうと思います。
受験では、点数、偏差値、判定など、数値として目に見えるものに重きを置きますが、受験にはいろんな要素が絡みます。友人のO.S君も、E判定を覆し、合格しました。数字もりっぱな指標ですが、振り回されてはいけないと思います。いったん数字から距離を置き、数字よりも自分を信じるとことも大事だと思います。
偏差値なんてただの虚構です。かつうら塾で得られるものは、そんなちっぽけなものではありません。冒頭に挙げた赤面するようなライフ・プランは、いつのまにか跡形もなく消えてなくなっていました。
2022年5月3日