慣性の法則 

 

M・N 高松高校1年

「静止している物体は静止を続け、動いている物体は動き続ける」。このニュートンの運動法則は、勉強にも当てはまると思う。「低迷してる人は低迷を続け、伸びている人は伸び続ける」

かつうら塾に入って、どれだけ成長することが出来ただろうか。高校入学後、私はずっと低迷していた。どこかから大きな刺激を受けない限り、私はずっと低迷したままで、変われないと思った。

実力の伸びを確信したのは冬休みのことだった。文系を選択したにもかかわらず現代文の成績が悪い。自信をなくしていた私に、かつうら先生は新聞の社説の「縮約」を奨めてくれた。「縮約」を4、5本やるだけで確実に国語力がつくと言われた。『日本語練習帳』(大野晋著・岩波新書)に「縮約」の仕方が載っている。

半信半疑だったが、先生を信じた。冬休みに入り、毎日3時間、欠かさずに「縮約」の練習をした。大晦日も元旦も休まずに社説の文章と向き合った。納得がいくまで何度も読み返し書き直した。

冬休みが明けてすぐに校内の実力テストがあった。大の苦手は国語の評論文。「あれっ……すらすら解ける」。私の体に衝撃が走った。怖くなるほどの手応えがあった。

数日後、テストの結果が返ってきた。成績を見て息をのんだ。それまで半分も点が取れなかった評論文で間違いは1つもなかった。記号選択問題は全問正解。部分点を取ることで精一杯だった記述問題でも、減点はたったの1、2点。評論文に関しては、国語のテストで学年1位の友達よりも正答率が高かった。

自信をつけた私は、そこからさらに成長することが出来た。ニュースに興味を持ち、記事を英文で読んだり、「赤本」を使って過去問題を解いてみたりした。今まで自分には不可能だと思っていたことに挑戦している。

驚くことはこれだけではない。部活でも別人になったかのように記録を伸ばした。駅伝では、1年生ながらアンカーを任され、1番長い距離を走った。

しかし、これらの挑戦がすべて成功に終わっているわけではない。英文をすらすら読むことはまだできないし、「赤本」の難しさにはお手上げ状態。駅伝では、アンカーなのに3人に抜かれて、泣き崩れた。しかし、こうした経験ができたのは、かつうら先生が奨めてくださった「縮約」がきっかけだったと思う。「縮約」にチャレンジしたことで、それが大きな弾みとなって低迷状態から抜け出せたと思う。

いま「小さな成功体験」を書いているが、今回の体験は単に勉強の「成功」ではなく、人間としての進歩だと思う。自分に対して諦めかけていた私を励まし、自信をつけてくれたかつうら先生は、私にとって、どれほど大きな存在かは言い尽くせない。

これから大学入試に向けて闘っていかなければならないが、入試に振り回されたくはない。かつうら先生の魂の授業に必死でついて行き、本当に学ばなければならないことは何なのかを、常に忘れずに自分と向き合っていきたい。

2020年2月20日