本当の実力

 

H・F 大谷大学文学部 (2020年・高松北高校卒)

私は野球部に所属していた。毎日、夜の9時過ぎまで練習し、家に帰ると10時半。これを野球部を引退する3年生の夏まで続けた。

定期試験は、前日に詰め込みで暗記して臨んだ。それでもクラス順位は1桁。評定も悪くなかった。特に英語はクラス平均より10点以上も高かった。それで、自分は英語が得意なんだと思い込んでいた。一方で、全国模試の点数はよくなかった。偏差値は40ちょっと。でも、私はこの勉強のスタイルを変えようとはしなかった。なぜなら、このままでも楽に推薦入試で大学に行けると思っていたからだ。

野球部を引退し、指定校推薦の一覧表を見て顔が青ざめた。なぜなら、去年まで存在していた指定校の推薦枠がいくつも消えてなくなっていたからだ。噂によると、指定校の推薦枠で進学した人が何人も大学を退学しているというのだ。頭が真っ白になった。

大学からの推薦枠の取り消しについては、入塾後に、かつうら先生から、こう聞いた。「自分が教えている生徒が推薦に値する実力があるかどうかが見抜けないとしたら、その教師は無能だし、もし大学レベルの授業についていける実力もないのに推薦したとすれば、その教師や高校は無責任としかいいようがない」

私は、しぶしぶ他の方法で受験することにした。しかしAO入試、公募推薦、どちらとも不合格。もう後がない。そう焦っていた時に、友達のススメでかつうら塾を知った。

授業を受けると、学校の授業よりもはるかに質の高い授業に驚いた。「節とは何か」「その節の範囲はどこまでか」など、考えたこともない内容だった。五文型が英文法のなかで1番大切だなんて思いもしなかった。このとき初めて自分は全く英語を学んでこなかったのだということを知った。

私は1年生の授業に出ていた。初めの頃は、かつうら先生の質問の意味すらわからなかった。正直、自分には英語は向いていないという思いにかられ、挫折しそうになった。だが、そんな時、かつうら先生が「H君は今まで勉強の仕方を知らなかっただけで、これからどんどん伸びますよ」と言ってくださった。それで、なんとか踏みとどまることができ、もう少し頑張ってみようという気になった。

復習や予習にも力が入るようになった。これまでは、ノートに書いて覚えていたが、口に出して覚えるようにした。何度も同じ箇所を口に出しているうちに勝手に頭に入るようになり、勉強がとてもはかどるようになった。

すると、少しずつではあるが、かつうら先生の質問に答えられるようになった。第一志望の大学には合格できなかったが、第二志望の大学でしっかり英語力を伸ばしていきたいと思っている。かつうら先生の質問に全て答えられるわけではないが、かつうら塾で学んだことは、生きていく上で大切なものばかりだと確信している。

2020年3月12日