S・K 外務省勤務・東京大学法学部卒(2008年 高松高校卒)
2021年6月。気づけば社会人になって9年目を迎えている今、2009年春に書いた自分の体験記を見て懐かしくもあり、余りに率直な書きぶりに恥ずかしくも感じています。
私は高 1の夏から浪人生時代も含め、4年間弱かつうら塾に通っていました。かつうら塾で英語を得意科目として定着させるだけでなく、前向きな姿勢を絶やさないマインドを身に着け、一浪はしましたが第一希望の大学に入ることができました。
大学に入ってからも大学はあくまで通過点との認識で自分のやりたいことは何なのか自問自答し、関心・興味を持った分野の授業やゼミ、サークル活動には積極的に参加するようにして、将来のビジョンを少しずつ固めていきました。
その結果、私の場合は、(現在はインド太平洋地域と言うことが多いですが、)アジア太平洋地域における日本の立ち位置、大国中国との関係など、知的好奇心をくすぐられると同時に重要なアジェンダに、仕事として取り組んでいきたいと強く思うに至り、外務省に飛び込むことにしました。
私は、中国語専門の総合職として(学生時代、中国語を一切勉強したことはありませんでしたが)、中国に2年間、米国に1年間研修し、その後、北京にある日本大使館でも2年間勤務しました。
中国外交部との折衝に一喜一憂しながら、時に通訳業務もこなし、2度の総理訪中の受け入れ準備、湖北省・武漢邦人救出オペレーションなど、大きなミッションにも携わることができました。
若手ながらも対中外交の最前線でチームの一員としてがむしゃらに働きました。昨年夏に帰国し、現在は対ASEAN関係、日中韓協力、南シナ海、歴史認識など、幅広い業務を所管している部署にいます。霞が関のブラックな勤務体質は残念ながらまだ残っていますが(笑)、楽しくやりがいを感じながら仕事を続けられています。
外務省に入ってもう8年間経ちましたが、学生時代に培った前向きな姿勢を絶やさず、「これやりたい」、「あれはやるべき」など考えながら自分のアイデアを提案しては上司に詰められ撃沈し、また復活する(笑)日々を送っています。
正直に言えば、自分より語学も仕事もできる人は周りにたくさんいますが、伸びしろがまだまだあるから頑張ろう、周りから吸収してやろうという気持ちでいます。
こう振り返ると、改めて高校生の時に消極的思考に陥りがちだった私を前向きな性格に変えてくれた、かつうら先生には感謝しかありません。
これをご覧になっている方の中には、自分の将来に不安を抱いている方もいるかもしれません。でもそれは何の解決にもなりません。むしろ状況が悪化してしまうこともあると思います(私も経験済みです)。まずは気持ちから変えてみてはいかがでしょうか? そうすれば自ずと行動も伴っていくはずです。
最後に、私の好きな中国語の一つである「勇往直前」という言葉を皆さんにお送りします。「前しか向かない!」という意味です。皆さん、是非頑張って下さい。
2021年6月5日