何を探すの?

 

     何を探すの?

M・Y  香川大学経済学部 (2008年 高松商業高校卒)

英語は苦手な教科だ。関係詞、分詞、動名詞、どれもあいまいで英語がさっぱりわからなくなっていた。

入塾して初めての授業。神妙な雰囲気のなか、喉がからからになるほど緊張していた。短い英文の三ヵ所に、[かっこ]をつけてくださいという指示があった。まるでクイズだ。てっきり訳すのだろうと考えていたので驚いた。英文にかっこをつける? いったいどんな意味があるのだろう?

一ヶ月ほど経って、「一年のクラスに出てみますか?」と聞かれた。学年は二年でも高二の実力はないと痛感していたので、迷わず一年のクラスに出てみようと決めた。

授業で、自分の順番になると、何を聞かれるのだろうと不安で焦るばかりだった。そこで、聞かれそうな質問を予想し、単語や派生語や例文をノートに書いて万全の準備をするようにした。すると、その予想が的中するようになり、嬉しくなった。その喜びが予習の励みになり、それは自信へとつながっていった。

英標を読む時、あるいは問題を解く時、重要なのが、[かっこ]だ。ただの[かっこ]ではない。この[かっこ]をつけるか、つけないかで英文を速く正確に読み取れるかどうかが決まる。とても優れものだ。

勝浦塾に入る前、関係詞節や同格節、従属節などを全く気にかけず、力ずくで訳していた。力ずくで読めるわけもなく、とくに長文は話の内容がつかめず大の苦手だった。そんな私だったが、[かっこ]で整理しながら読むことを身につけてからは、長文が楽しめるようになった。

英語の勉強と同じくらい大切なのが先生の話だ。「つらいときこそ笑う」。このことも先生が紹介してくれた本で気付けたことだ。受験では常に不安がつきまとい、模試で思うような点数が取れず落ち込んだり、いろいろなことでたくさん悩んだりした。そんなとき、たいていマイナス思考になる私だった。しかし、笑うと気分が楽になる。楽になると心に余裕ができ、こんなことで悩んでいたのか、と思えてくる。私はこれを幾度となく実践した。

勝浦先生の話のなかに、何を見つけるかはあなた次第だ。商店街の人混みのなかで、ミニスカの女の子を探すか、おばさんを探すかはあなた次第だ。二時間、絶え間なくいろんなことを考えさせられる授業を大切にしてください。きっと将来につながるでしょう。