インクのシミか、それとも…、It’s up to you !

 

     インクのシミか、それとも…、It’s up to you !

Y・K 東京外国語大学スペイン語科 (2004年 高松高校卒)

今、合格の喜びを一杯にかみしめています。長かった受験生活で、一番印象に残っていることは、本番は非常に緊張するということです。僕は、センター、私立、国立二次と全部緊張しっぱなしで、本番一週間前ほどから夜なかなか眠られずに苦労しました。国立の試験の当日は、激しい腹痛に襲われるほどでした。自分では落ち着こうと努力するのですが、どうしても「試験に落ちたら奈落の底に…」というプレッシャーに追い詰められました。

しかし、そんなとき、勝浦先生にメールで相談にのってもらい、気を落ち着かせることができました。特に、あれは忘れもしない私立の試験の三日ほど前のことです。試験が非常に気になって不安だということを勝浦先生に訴えました。すると、勝浦先生は「私は不安を感じることのファンです」などとくだらないオヤジギャグをメールで飛ばしてきました。正直、読んだ時はかなり引いてしまいましたが、勝浦先生ならではのリラックス法だったのではないかと今では思います。あの時、勝浦先生が励ましてくれなかったら、今は笑っていられなかったかもしれません。

僕が、塾で一番学んだことは、授業内容よりも、もっと別のモノであったと思います。人として生きることにおいて、最も大切な何かを学ぶ事の出来る場所であったのではないかと思います。まさに、「平成の松下村塾」と呼ばれるべき場所ではないでしょうか。

勝浦先生は授業のたびに色々な話をしてくれました。中には完全なセクハラ(!?)トークをして、クラスの女の子に白い目でみられることもありました。「英文とスカートは短い方がいい」と言って、ひとりでウケていたときの勝浦先生の笑顔が忘れられません。

数多い先生の話の中で最も印象に残っているのは、「一匹目の猿」の話です。宮崎県の幸島で、一匹のサルが芋を海水で洗ってから食べ始めたら、またたく間に全国のサルがその行為を真似し始めたという話です。何でもない行為でも、一番最初に行動を起こすのは難しいことで、非常に価値があるというものでした。

僕にはこの猿がどうしても勝浦先生と重なります。今まで誰も思いつかなかった参考書。それを一冊の労作としてまとめあげた勝浦先生は一匹目の猿にふさわしいと思います。僕は、まだ一匹目の猿にはなれていません。なれるという保証はないけれど、いずれそうなればいいなと思ってます。今までは、漠然と「勝浦先生みたいになれたらいいな」と思って、先生の敷いたレールの上を歩いてきただけのようなものでした。これからは、自分にしかないものを生かし、新しい道へ進んでいこうと思っています。

今、これを読んでいる後輩にも、自分というものをしっかり持って、自らの歩んでいく道に誇りをもって欲しいと思っています。今、弁護士になりたい、医者になりたいなど、さまざまな夢をもっている人も多いでしょう。それは大変すばらしい事だと思います。でも、一番大切なのは、「何になりたいか」ではなくて、「どうなりたいか」であるという事を覚えておいてください。どのような道に進んでも、それさえわかっていれば、もっと広い視野で物事を見ることができると思います。

最後に、勝浦塾の僕の隣の席で一年間競い合ったライバルのH君。君には本当に感謝しています。ありがとう。二年生ながらも飛び級して三年のクラスに入り、しかも、どんな質問にも答えてしまう君の姿があったからこそ、僕は努力することができ、今の自分があるのだと思います。来年もまた一人、二人とチュンプルズ仲間が増え、お互いが切磋琢磨できるのを楽しみにしています。チュンプルズはその人の使い方によって単なるインクのシミにもなるし、一億円の価値のある本にもなります。それをお忘れなく。It’s up to you!