大学で人生は決まらない!
I・Y 慶応義塾大学商学部 (2011年・高松高校卒)
僕が3年間かつうら塾に通って、1番大きな影響を受けたのは「通過点理論」だ。まず「通過点理論」について例を挙げて説明しよう。
A君が2時間勉強しようと計画したとする。ここで2時間を目標に勉強するよりも、3時間を目標に勉強した方が、当初の計画であった2時間を達成しやすくなる。
これは勉強以外のことにもいえる。例えばダイエット。Bさんが体重を3キロ減らそうと計画したとする。この時3キロ減らすことを目標にすると計画の達成は難しい。しかし5キロ減らすことを目標にすると、計画の達成ははるかに容易になる。なぜなら「3キロ減らすこと」が「5キロ減らすこと」の通過点になる、すなわち「3キロ」が「5キロ」という目標を達成するための前提となるからだ。「3キロ」が前提となれば、もちろん人間はその前提をクリアしようと努力して、ダイエットの成功が見えてくる。
つまり「通過点理論」とは、自分の計画の少し先に目標をおいて努力すると、その計画を達成しやすくなる、というものなのだ。
僕の受験の結果は、センターでは841点をとったものの、二次試験では国語で大失敗してしまい、第一志望だった東京大学に合格することは出来なかった。それまで入試で失敗した経験がなかった僕にとって、自分が不合格だったという事実は受け入れがたいものだった。さらに友人の中には、模試の判定を覆して合格した人や、センターから逆転して合格した人もおり、「なぜあいつが受かって俺が落ちるんだ!」と思うこともあった。周りの人から「え!お前落ちたのか?」とか「センターでかなり貯金あったのに、なんで?」などと言われる度、悔しさがこみあげてきた。
そんな時僕はふと勝浦先生の言っていた「通過点理論」を思い出した。大学受験に「通過点理論」を当てはめると、「大学を目指して努力するよりも大学に入ってから努力する方がいい」となる。言われてみれば当然のことだが、僕は大学受験に固執するあまり、このことをすっかり忘れてしまっていた。「通過点理論」のおかげで平常心を取り戻した僕は、自分の進路を落ち着いて考えられるようになった。
そうして考えた結果、僕は慶応大学商学部に進学することに決めた。「今自分の中には何の悔いもない」と言うとウソになる。しかし、僕は浪人しない。ここで大学にこだわるよりも、受験での悔しさをばねに慶応大学で努力する。また、僕は今のところ公認会計士になりたいと思っている。この計画を簡単に実現させるため、僕は「国際舞台で活躍する公認会計士をめざす」を、資格試験に受かるまでの目標とする。勝浦先生は「通過点理論」を通して、僕がこうした決意をし、新たな目標を立てるきっかけをも与えてくれた。僕はこの決意と目標を胸に、大学生活を送ろうと思う。
2011年5月9日