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偏差値36から
M・K 大阪大学経済学部 (2012年 高松高校卒)
3月某日、引っ越しのための荷物整理をしていると、高1最初の実力テストの結果を見つけた。1年第1回実力テスト・英語24点・偏差値36。自分の高校英語はこんなところからのスタートだった。
中学時代から、自分の中で英語は「苦手」な教科であると同時に「大嫌い」な教科でもあった。しかし、辛くも高校受験を成功させた自分の中には、英語などできなくても他の教科でカバーすればいい、とあまりにも甘い考えができていた。
だが高校英語はそんなに甘くはなかった。読めない。全く読めないのである。長い文の中で、「ジョンが…、高校生で…、サッカー部で…」、そんなことしか分からなかった。
こんな状態で、かつうら塾に入塾した。このままではやばい。なんとなくそう思ったからである。塾というものに通うのは、これが始めてであった。
かつうら塾は良い意味で異端な塾だ。塾と聞けば連想しがちなピリピリとした雰囲気は全くなく、時折先生の口から飛び出すジョークは場を和ませた。そして先生が考案した、英文に括弧をつけていく解釈方法は、とても複雑な英文をあっという間に簡単にしてくれた。
しかし、かつうら塾に通っていながらも、自分は浪人した。理由は明白だった。3年になり、受験が近づくにつれてしだいに復習がおろそかになっていたからである。どんなに授業が素晴らしいものであっても、復習をしっかりとしなければ意味がないことを痛感した。
「1年浪人したなら、1年長く生きればいいじゃないですか」。これは、浪人することが決まって、引け目を感じていた自分に、先生がかけてくれた言葉だ。この言葉で自分はすごく気持ちが楽になった。おそらく、同級生や、他の誰かにこの言葉をかけられても、これほど自分の心に響かなかっただろう。自分たちの何倍も生き、おそらく何十倍もの苦楽を経験したであろう先生の口から発せられる言葉だからこそ、重みがあったのだと思う。
浪人してからは特にかつうら塾の復習をしっかりとするように心がけた。長いときには2時間ほど復習するときもあった。それだけ濃密な授業だということを、浪人してから改めて思い知った。1回1回の授業が終わるたびに、そしてその復習をするたびに、自分が成長していることをはっきりと感じた。
また、個人的には英作文の添削でもお世話になった。英作文の心得として先生が常に言っていたのが「シンプル・イズ・ベスト」という言葉だ。この心得のもと、何度も添削をしていただいたが、なかなか先生の求めるレベルの英文を書くことはできなかった。それでも、阪大模試で9割近い点数を取れるまでになった。
試験の日はあっというまにやってきた。試験当日、英語のテストが始まる前に、先生に言われた言葉を何度も頭の中で反芻した。試験が始まると、無我夢中で問題にとりくんだ。とりあえず、試験時間内に全て書き終わることはできた。後は祈るだけとなった。
そして、結果発表の日。午前9時。ネットを開き、ホームページの合格発表欄にアクセスしようとする。しかし、混雑のためかなかなか繋がらない。心臓が早鐘のように鳴った。遅れること10分。ページが開いた。番号を探す。そして………あった。忘れもしない、受験番号30229。確かにその中にしっかりと記されていた。「やった…」。思わず出た言葉だった。自分の受験生活は、幕を閉じた。
今かつうら塾に通っている人たちへ。そのまま先生を信じて突き進んでほしい。しかし、ただ授業を受けてそれで終わり、というわけではない。しっかりと復習しなければ、その効果は十二分に表れない。逆に、それさえすれば、必ず効果は表れる。あなた方は最高の塾に通っている。そのことを、忘れないでほしい。
そして、この体験記を読んで、かつうら塾に入塾しようか迷っている人へ。一度かつうら塾を訪問してみるといい。この体験記に書いてあることが、きっと分かってもらえると思う。
2013年03月25日