K・M 岡山大学法学部(2021年・高松高校卒)
●[ ]でくくる
私は、高校1年生の8月にかつうら塾に入塾しました。まず勝浦先生が教えてくださったのは、[ ]でくくることです。英文の切れ目にスラッシュを入れる方法はよく聞きますが、[ ]でくくることで英文の構造が目に見えるようになります。チュンプルズでは、§1-2で[ ]について解説されています。例文も素敵なので、これからこの教材を手に取る後輩のみなさんにもぜひ読んでいただきたいです。
●予習と復習
かつうら塾の授業では、英文解釈のポイントをつかめているかを確認するために、勝浦先生から質問をされることがあります。質問の内容は「文の主語」「thatのはたらき」「節の範囲」など、様々です。私は入塾当初、先生の話を聞くのに精一杯で、基本的な質問にも答えられませんでした。そんな自分が情けなく、悔しい気持ちでいっぱいでした。なんとかして同じ授業を受けている人たちに追いつきたかったので、『英文標準問題精講』の予習・復習を丁寧にしました。
予習の時には、授業で勝浦先生に何を聞かれるかを予想して、自信を持って答えられるように準備しておくようになりました。1年生の頃は、語彙も文法知識も少なかったので、辞書を引いて品詞を確かめたり、[ ]でくくって整理したりする作業を何度も繰り返しました。時間がかかりますが、これが本当の予習なんだと思いました。
復習は、授業で答えられなかった文法事項をチュンプルズで調べて読むことと、プリントで間違えた問題を見直すことを徹底しました。どんなに疲れている日でも、寝る前にこの二つを終わらせるようにしました。
●こつこつ、ゆっくりで大丈夫
「できない」を「できる」に変えるには地道な練習をするのが一番です。
才能によって成功する人はほんの一握りだ。しかし練習によって成功することは誰でもできる。――これは、かつうら塾の授業で配られたプリントに書かれていた言葉です。私はこの言葉を読んだとき、頭の中で、叶えたい未来への階段をのぼっていく自分の姿を想像しました。世の中には、何かに追われるように、焦った様子で階段を駆け上がる人もいますが、焦らず1段ずつ、少しずつでも構わないと思います。
●悔しさも成功への糧になる
私は、譲歩のas(チュンプルズの§21-1)が苦手でした。苦手というのは、譲歩のasが英文に登場しても気付かず、正しく訳せなかったという意味です。このままでは駄目だと思い、チュンプルズの例文と辞書の例文の両方で覚えました。そして後日、ついに譲歩のasを質問され答えることができました!
勝浦先生の質問に答えられるようになった時の喜びは、大学への入学を決めた今でも覚えています。失敗したときの悔しさをバネにして、練習を重ねれば、いつか必ず成功できます。「何回も間違えたけれど、できるようになった!」「私でもできるんだ!」このときの達成感が、自分に自信を与えてくれます。結果として、これからの英語の勉強に対するやる気が出てくるのです。
●チュンプルズはあなたの味方
チュンプルズは、授業で登場したページをメモしておいて、授業後すぐに一通り目を通すことが大事です。チュンプルズの前半には、受験英語で必ずおさえておきたい文法事項が、見開きでまとめられています。関連する言葉や表現がすぐ近くにあります。この本をパラパラめくるだけでも、形容詞形の使い分けが分かったり、おもしろい例文に出会ったりします。
私は、お気に入りの文房具屋さんでノートを買ってきて、自分が特に忘れやすい「§34-1前置詞to」「§36-1自慢する」「§77-2 succeed」などをまとめました。チュンプルズのような優れた教材を、目で読むだけでなく音読したり自分の手を動かして書いたりすれば、学習内容がより身につきやすくなります。私の場合は大好きなムーミンのノートに書くことで勉強のモチベーションが上がり、チュンプルズに載っている表現全てをマスターしよう!という気持ちになりました。
チュンプルズは、かつうら塾に通う受験生にとって心強い味方です。かつうら塾での授業を大切にして、チュンプルズを熟読すれば、高校の英語の授業で困ることはまずなくなります。大学受験に向けて英語の問題集や過去問を解くとき、そして入試本番でも、チュンプルズで学んだことが必ず役に立ちます。
●何のために英語を勉強するの?
私たちはなぜ英語の勉強をするのでしょうか。私は元々英語が好きでしたが、勝浦先生に3年間教わるなかで、いっそう英語が好きになりました。なぜかというと、かつうら塾で、私は英語を勉強する意味を知ったからです。
第一に、英語の構造の美しさを知ることです。どんなに難解な英文でも、構造分析すると五文型のいずれかに当てはまります。すでに述べたように、[ ]でくくるなどして適切に整理すればよいのです。一見訳しづらそうな英文も、恐れる必要はありません。勝浦先生自身も先日、英語の構造はやはり美しいと感じたとおっしゃっていました。先生のように英語に精通していらっしゃる方は、英文解釈で行き詰まったときに、五文型という基本に立ち返って冷静に分析できるのだと思います。この原点回帰の経験は、英語を学びたいという純粋な気持ちをもって英文に向き合う人なら誰でもあると思います。
第二に、優れた英文と出会い、その英文を味わうことです。『英文標準問題精講』練習問題102 は、ヘレン・ケラーが自身の“言葉との出会い”を語った一説です。サリバン先生はヘレン・ケラーを水道のところへ連れてきます。少女は片手に水が流れるのを感じ、同時にもう片方の手にはサリバン先生が指で文字を書いてくれています。“w-a-t-e-r” ……これが、まさに今わたしの手にほとばしっている冷たいものなのだと、少女は忘れていたものを思い出すような感覚に胸をときめかせます。私はこの場面をヘレン・ケラーの伝記で読んだことがありましたが、数年後に英文で読むと、筆者のこころの動きが細やかに描写されていることに胸を打たれました。まるで、私も二人と同じ庭に立っていて、ただその水の流れだけに意識を集中させているような気持ちになりました。
言葉は、時代を超えて、読み手に世界を伝えてくれます。この点で英語は、日本語と同じです。文章を読んで深く思いを巡らせたり、心を動かされたりするというかけがえのない体験を、英語でもできるという喜びは、英語を学ぶ人にとって大きな財産となります。
●緊張は大切な要素
ここで、私の大学入試を振り返って、最も反省すべきだと痛感していることをお伝えします。私には緊張感が足りませんでした。小さい頃から、本番で緊張しないことは自分の長所だと思っていましたが、緊張感の無さが日々の勉強に悪影響を及ぼす結果となりました。共通テスト直前になっても、勉強中と休憩の境目があいまいで、集中して勉強できていませんでした。緊張することは一般にはネガティブなことだと捉えられることが多いですが、本当は違います。勝浦先生がおっしゃるように、適度な緊張感を持つことは、テストや試合でよいパフォーマンスをするために大切なのです。
●判定が全てではない
共通テストの数日後、3社から届いた判定は、受け取った順にB判定→C判定→D判定でした。もう2次試験で挽回するしかないと、ひたすらチュンプルズを反復しました。受験から逃げたいと思う時期もありましたが、かつうら塾でたくさん間違えて、その度に少しずつ成長させてもらったおかげで、第1志望の大学に合格できました。
●結び
最後に、勝浦先生はいつも私たちの英語学習にとどまらず、これからの生き方についても、熱心に指導してくださいました。本当にありがとうございました。
私はこの春、多くの方に支えられる側の人間から、誰かを支える人間になるための準備を始めます。現代を生きる一人の人間として、世界中を飛び交う無数の情報を見極め、最終的には自分にとって正しいほうへ進まなければなりません。そのためにも、英語の勉強を通して得たものの見方を大事にしようと思います。私は法学部に進学しますが、大学での学業とともに、映像など創作活動にも取り組もうと思っています。私が落ち込んでいたとき、勝浦先生からの言葉に勇気や自信をいただいたように、今度は私から、誰かのこころを救えるような作品をつくり発信したいです。
2021年3月16日